資料は語る2013―資料で読む「東京文学誌」


2013年度は、東京都制70周年にちなみ、“東京の文学”をテーマにします。
当館所蔵の貴重資料を題材に、豪華な講師陣が東京ゆかりの文学者やその作品を新しい角度から語ります。
会場:日本近代文学館ホール

前期

青春の諸相―根津・下谷 森鴎外と高村光太郎

日時:4月20日(土) 14:00~15:30
講師:小林幸夫 (上智大学教授)
大正6年10月9日、34歳の高村光太郎は、55歳の鴎外に呼ばれて観潮楼の門を潜った。
その折の事が「観潮楼閑話」に記されている。
それを原稿で読みながら二人の議論を考察し、あわせて『青年』に描かれた観潮楼付近に触れる。

電車が作る物語-田山花袋と夏目漱石

日時:5月18日(土) 14:00~15:30
講師:石原千秋 (早稲田大学教授)
明治40年前後は、東京都心で汽車が電車に置き換えられていく時期でした。
それらをみごとに文学に取り込んだ二人の作品を読んで、
近代人にとって交通手段の変化とは何を意味したのかを考えてみます。

女性たちの東京-永井荷風と泉鏡花

日時:6月22日(土) 14:00~15:30
講師:持田叙子 (近代文学研究者)
文人ということばがあります。
女性の絶対的な美しさをほれぼれと描きぬく作家として、永井荷風と泉鏡花はきわだつ。
彼らが近代のシンボル東京の風景の中に描く女性像をよみとき、
その美と気品を実感したい。

 

「風俗雑誌」口絵の浅草

後期

モダンな盛り場―浅草 川端康成・堀辰雄など

日時:9月21日(土) 14:00~15:30
講師:宮内淳子 (近代文学研究者)
多くの作家を引き寄せ、創作意欲を掻き立てた土地・浅草は、東京の中でも特色ある盛り場だった。
今回は、モダニズムの色濃い作品を取り上げ、なぜ浅草だったのか、その魅力を探ってみたい。

震災と復興―銀座 水上瀧太郎・久保田万太郎・里見弴など

日時:10月19日(土) 14:00~15:30
講師:武藤康史 (評論家)
あの地震は東京者の人情をどう変へたのか……
そこのところがどう描かれてゐるか、昔の戯曲や小説から覗いてみたい。

太宰治―中央線時代の文学と恋。甲府の石原美知子~御茶ノ水の山崎富栄

日時:11月16日(土) 14:00~15:30
講師:松本侑子 (作家・翻訳家)
太宰が中央線に暮らした昭和8年(24歳、文壇デビュー作「思い出」)から
情死の昭和23年までの自伝的小説と恋を語る。
直筆原稿を展示し、退廃と無頼ではなく真摯な文学者の姿を読み解きたい。写真も多数上映。

 

2013年度 講座「資料は語る」

日時 前期 4月20日、5月18日、6月22日(いずれも土曜) 14:00~15:30
後期 9月21日、10月19日、11月16日(いずれも土曜) 14:00~15:30
受講料 全期間 (6回)10,000円(会員9,000円)
前期または後期 5,000円 (会員4,500円)
1回のみ 2,000円 (会員1,800円)
申込方法

現金書留 住所・氏名・電話番号および受講期間(1回の場合は希望月も)を明記した紙、受講料と返信用80円切手を同封し、
〒153-0041 目黒区駒場4-3-55 日本近代文学館「資料は語る」係へお送り下さい。

郵便振替 通信欄に講座名「資料は語る」と受講期間(1回の場合は希望月も)を明記の上、受講料に返信用送料80円を加えた額を下記の口座へお振込み下さい。

口座番号:00140-0-47730 口座名:公益財団法人 日本近代文学館