浅草文芸、戻る場所


9月1日(土)―10月6日(土) 

 

―あの文豪たちと浅草の関係を知って、浅草をもっと楽しもう!―

主 催 浅草文芸ハンドブックの会
アドバイザーおよび資料協力 西条昇
 協力 月刊「浅草」編集部
公益財団法人 日本近代文学館
開館時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
観 覧 料 一般300円(団体20名様以上は一人200円)、中高生100円
休 館 日 日曜日・月曜日・第4木曜日(9月27日)

 

文学展 「浅草文芸、戻る場所」
──「文学」が関わると、浅草は戻りたくなる場所になる。

『浅草文芸ハンドブック』(2016、勉誠出版)を出版した後に、書物の中で遊ぶほうが好きで人見知りなメンバーの一人が、「浅草に、馴染み の店を一軒、作りたい」と言った。「馴染み」というのがどういう状態を指すのか、どんな店なのかはさておき、そのメンバーは「読んでお終いの浅草」ではなくて、リアルな浅草に止り木あるいは椅子のようなものを見つけて、寛ぎたくなったようである。
2016年、2017年と浅草の伝法院通りにある古民家ギャラリー「ブレーメンハウス」で、小さな文学展を開催した。そこで浅草の空気をいっぱい吸いながら、「文学」が関わると、浅草は戻りたくなる場所になる──という確信を得た私たちは、今回、いたって浅草っぽくないここ、日本近代文学館で、実験を試みることにした。駒場公園と言えば、かつては加賀百万石の前田のお殿様の別邸である。ソースや醤油が焦げる匂い(近年は、メロンパンが焼ける甘い匂いも)や、呼び込みの声など全く不似合いな、静謐極まるこの場所でも、浅草文学展を観た人は、必ずや井の頭線、銀座線を乗り継いで浅草に行きたくなるはずである。かつて、川端康成や永井荷風、高見順、江戸川乱歩、室生犀星たちがそうであったように、浅草はもはや一過性の観光地ではなく、幾度でも「戻る場所」になる。そのうちには、お目当の「馴染みの店」が作りたくなるかもしれない。
秋の日本近代文学館経由、浅草行きの実験に、ぜひ、ご参加下さい。

浅草文芸ハンドブックの会(金井景子、楜沢健、能地克宜、津久井隆、上田学、広岡祐、堀郁夫)

 

部門紹介

0章  川が織りなす風景 ─浅草の領域を探る─

1章  働く場所
1. 人力車の軌跡  2. 踊り子たちのステップ  3. 芸人たちの声

2章  見る場所
1. 十二階とは何だったのか  2. 小屋・映画館・劇場の記憶

3章  戻る場所
1.「染太郎」に集う ─高見順を軸として
2. 甦る「浅草文芸」 ─タウン誌月刊「浅草」と川端康成

 

特別関連イベント

いずれも、8月1日よりメール(kanaike@waseda.jp) にてお申し込みを受け付けます。

〈特別講義×対談の午後〉

9月1日(土) 14:00~15:30 当館展示室奥の会議室 参加費無料 定員30名

特別講義「高見順の観た浅草芸能─『如何なる星の下に』を中心に」
西条昇(江戸川大学教授、浅草大衆文化史)

対談 「『染太郎』という磁場」
崎本仁彦(風流お好み焼き「染太郎」二代目主人) ×西条昇 対談

 

〈ひとり語り×ふたりトークの午後〉

9月22日(土) 14:00~15:30 当館講堂 参加費無料 定員80名

ひとり語り「樋口一葉作「十三夜」」
熊澤南水(朗読家、洋食ヨシカミ女将)

ふたりトーク「働く場所、浅草のあの頃」
熊澤南水×日高昭二(神奈川大学名誉教授、日本近代文学)

なお、期間中、店番をしている「浅草文芸ハンドブックの会」メンバーによるギャラリートークや浅草文学・建築散歩、「『浅草紅団』のスピンオフ小説を書こう!」「浅草、街の呼吸を撮る― 2018年」などの企画あり。詳しくは、早稲田大学金井景子研究室「浅草文芸の縁側」ページをご参照ください。

 

同時開催 「モダニズムと浅草」

若き日の川端康成は、浅草を歩き回り小説やエッセイにその風景を織り込んでいきました。「大衆 都市・浅草」、「関東大震災と東京の復興」、「小説のモダニズム」といったキーワードを軸に、貴重な資料を紹介します。川端康成が誘う「モダニズムと浅草」の魅力をお楽しみください。

主催:公益財団法人 日本近代文学館
編集:和田博文(東京女子大学教授)

併設の川端康成記念室にて同時開催。
「浅草文芸、戻る場所」の入場料で同時にご観覧いただけます。