石川啄木―貧苦と挫折を超えて―


編集:中村稔

石川啄木肖像

石川啄木肖像

天稟を自負しながら病と貧しさに喘ぎ二十六年の生涯を駆け抜けた石川啄木。彼の生涯をたどりつつ、時代を超えて私たちの心に迫るその作品の一節を、現代語訳とともに解説いたします。啄木文学への理解をふかめていただける展覧会です。

「雲は天才である」など当時は評価されなかった小説の原稿のほか、金田一京助や野村胡堂ら盛岡の少年時代からの友人にあてた書簡など貴重な資料で啄木の魅力に迫ります。

部門構成と主な出品資料

第1部 啄木の生涯

故郷の渋民村、青春の地盛岡、東京での与謝野夫妻との出会い、北海道漂泊や大逆事件の衝撃など、短くも激しく駆け抜けた啄木の生涯を、多数の写真とともにたどります。

・戸籍謄本
・金田一京助、野村胡堂、土岐善麿、妹の光子に宛てた書簡
・原稿「雲は天才である」「病院の窓」など
・雑誌「明星」「スバル」「小天地」 など

第2部 石川啄木詩歌の世界

・処女詩集『あこがれ』から詩「ひとりゆかむ」
・「黄草集」ノートから詩「この心」
・「ローマ字日記」から詩「新しき都の基礎」
・遺稿集「呼子と口笛」から詩「家」 など

『邪宗門』の北原白秋、『海潮音』の上田敏、『白羊宮』の薄田泣菫ほか同時代の詩人たちを紹介するコーナーも。